-
『龍樹の仏教観』(電子書籍 EPUB版)
¥500
明治の若き学僧による龍樹入門 完全復刻! 「仏教史上最大の論師」、「第二のブッダ」、「八宗の祖」などと称される大乗仏教中観派の開祖・龍樹(ナーガールジュナ)。その深遠にして難解極まる「空」の思想を、若き学僧が読み解く。インド哲学、中国仏教、最澄、親鸞などの思想と論点を縦横無尽、融通無碍に渉猟し、龍樹の仏教哲学の全貌を概観する。 原著は明治33年刊。著者の楠龍造(和田龍造)は、明治の宗教哲学者・清沢満之に師事し、後に真宗大学(現在の大谷大学)の教授となる仏教学者。廃仏毀釈による荒廃から近代仏教を再興せんとする清沢の「精神主義」に共鳴し、仏教の学究に努めた。本書を一読すれば、明治知識人の博覧強記、博学篤志に驚嘆させられることであろう。 誤植訂正、新字新かなで、より読みやすく 本書では底本の誤字脱字衍字の修正はもとより、閲読の便のため、難読漢字へのふりがな、新字新かなへの変更、読み下し文の追加などの編集を施した上、主に仏教用語について註記で解説しています。 【境野哲(黄洋)による「新刊批評」抜粋】 「本書はインドの二大思潮たる、有論・空論の対峙変遷を明らかにせんため、まず龍樹菩薩の空論を研究して、その系統的叙述を試みたるものなり。章を分かつこと十五、まずインド仏教変遷の大要を述べて、龍樹のインド仏教上の位置を明らかにし、その空論と有論と対比して、龍樹の学説と馬鳴の『起信論』との差異を説き、以て龍樹の伝記に及び、無宇宙論の基礎より進んで小乗と空論、密教と空論、他力教と空論、空論の内容実義、ならびに龍樹の大小乗区別、経典の分類、その神通論、涅槃論、仏陀論など諸種の方面よりこれを討尋し、菩薩修行の道程に至りてその筆を措けり。また学者の一読すべき好著なり。」(『新仏教』第1巻第5号)
-
『功利主義論』(電子書籍 EPUB版+PDF版)
¥1,000
「満たされた豚より……満たされないソクラテスの方がよい」 毀誉褒貶に晒されながらも、未だ難攻不落の倫理学説・功利主義。ベンサムによって創始され、ミルによって発展させられたこの最強の倫理学説の、ミル自身による簡にして要を得た解説書が、この『功利主義論』である。 本書を読めば、質的快楽主義や選好説への道を開いたという有体の解釈にとどまらない大きな示唆を得られるはずである。 本翻訳の特徴 明治時代、西周が『利学』のタイトルでJ・S・ミル『功利主義論』の翻訳書を出版して以降、日本で出版されたすべての翻訳書を参照し、これまでの翻訳書に見られた誤訳や悪訳、不明瞭な訳を改め、最も正確で読みやすい『功利主義論』が完成しました。 ◯ 「訳者覚え書」にて、既訳との具体的な相違点(大きく訳出が異なる部分)を明示しています。 ◯ 「既訳一覧」にて、過去日本で出版された翻訳書全12点を紹介しています。 ※EPUB版に加え、PDF版も付属するようになりました。